医局辞める

医局を辞める理由 2

医局をお辞めになるには適切な理由が必要です。

医局をお辞めになる先生の事情はいろいろです。お辞めになる時期もさまざま。
先生が医局をお辞めになりたいと初めてお考えになったのは卒後何年目くらいのことでしょうか?
そのようなお考えを持つようになる先生が多いのは、だいたい以下のような節目になります。

医局を辞める理由
医師人生の節目に退局が多い

上記の表にお示しする通りですが、少し補足させていただきます。

  • 医師が後期研修を終了したとき、医局をお辞めになるケース。初期研修後に大学医局に所属され、後期研修を開始される先生は少なくありませんが、実際に入局されてみると理想と現実のギャップに悩まされることは日常茶飯事です。「こんなはずでは・・・」という思いから、已むに已まれぬ退局をされるケースが多いのです。
  • 学位や専門医資格を取得されたとき、医局をお辞めになるケース。最近は後者が圧倒的に多くなっています。専門医を取得されたら医局をお辞めになるのがトレンドになっています。
  • 当直や時間外呼び出しがお体に堪えるようになってきた40歳前後に医局をお辞めになるケース。若いうちは我慢できますが、40歳ともなると当直明けにの疲れが何日も抜けないようになられる先生が増えてきます。そんな状態でオペをしていて良いのか、外来をしていて良いのかと自問自答されるようになるのです。
  • 医局の政権交代にともない、主流派ではなくなってしまったときに医局をお辞めになるケース。様々なパターンがありますが、旧態依然とした医局では教授選に負けた先生の派閥を排除するということが当然のこととして行われています。居場所を失った中堅の先生が退局に追い込まれるケースです。

医局を辞める理由は穏便なものにしましょう。

共通して言えるのは労働環境の悪さ、待遇の悪さ、医局のシステムへの不満でしょうか。火種はそんなところに転がっているものです。しかし、どんなにひどい医局であったとしても、不平不満を述べて辞めるのはおやめ下さい。

なるほど、積年の恨みを爆発させる格好で辞表を叩きつけると確かに胸がスカッとするものですが、先生の今後のことを考えると、このようなやり方はお勧め出来ません。人の怒り・恨みは恐ろしいものです。先生が医局を辞められた後に、医局方の先生方がアイツはとんでもない奴だと転職先の病院やその周辺に振れ回らないとも限りません。

医局と喧嘩して転職するのは良くありません。医局を辞める際にケンカ別れしてしまえば、医局側は先生に恨みを抱いて長期に渡り執拗な嫌がらせを続ける恐れが生じます。先生のその後のキャリアに暗い影を落とす可能性があるのです。
ケンカ別れを何故してはいけないのでしょうか。それは敵を作るからです。出身医局の教授と揉めてしまうと、医局から先生を干すように指令が飛びます。医局長以下、上層部から関連病院にまでそのような命令が発令されてしまいます。敵は作らないほうが良いのです。
医局長にムカついて、他人の門前で罵倒してしまった先生がいました。その先生は勤務先にいられなくなり辞職。その先生より医局長の方が後輩だったのですが、その報復が凄かったのです。勤務先を辞めさせただけではなくて、
「あの先生が来ても絶対に雇ってはいけない。」
と関連病院全てに電話をかけて回ったそうです。結局、県内にある大学の息のかかった病院にはどこにも雇ってもらえず他県に行くしかありませんでした。
同じ地域の中では患者を紹介したりされたりする機会もありますし、研究会などで顔を合わせる機会も少なくありません。敵が増えるとこういったときに毎度毎度余計なストレスがかかって精神的によくありません。なるべく敵を作らず、穏やかに過ごしたいですね。

医局を辞めるために一歩踏み出す前に、奥様あるいはご両親などご家族にお話されることをお勧めします
ご自分だけで話を進めてしまうと後々困ることが少なくないのです。奥様のご理解が得られないと、いくら先生が頑張ってもうまく行きません。まずは奥さんに医局を辞めることを了解していただき、協力体制を取ってください。それができて初めてスタートラインに立てます。
医局を辞める決断に至った背景には、並々ならぬ理由があることでしょう。医局の人間関係に疲れた、関連病院の過酷な労働環境にほとほと嫌気が差した、などネガティブな理由が多いものです。ご自分のお考えを正直に言うことは悪いことではありませんが、医局を辞める際に限って言えば良くないのです。医局の世界には、決して言ってはいけない暗黙のタブーが多数存在するものです。
たとえ本当のことであっても、言ってはいけないことを言ってしまったがために
「ひどいことを言いやがった奴」

として村八分にされることも少なくありません。

医局を辞める理由は、「個人的理由」が良いでしょう。

自分の家庭の事情を理由にすれば納得いただける可能性が高くなります。

「両親が病気で、介護しなければならなくなった。」
「子供が病気で、妻のサポートが避けられない。」
「妻が病気で育児が難しくなってしまった為、サポートが必要になる。」
といったものが無難でしょう。

先生が医局を辞めようとするその時期に、同じ医局のの他の先生が相次いで辞意を表明されたらどうなるでしょうか。当然、教授は面白くありません。締め付けを厳しくする可能性が高まります。組織防衛のための本能的行動ですが、辞める先生からすれば難易度が上がってしまいます。同じタイミングで辞意表明をしそうな先生がいらっしゃる場合、それも複数名いらっしゃる場合、彼らが表明する前に辞意表明するように時期を早めることをお勧めします。逆に、複数の先生に先を越されてしまった場合には医局を辞める難易度が上がってしまいますから、無理をされないことが肝要です。1-2年延期することも視野に入れてください。先んずれば人を制すです。次の項目にも言えますが、退局には時間的余裕を持って臨みましょう。

退局も交渉事ですから、御自分の主張ばかり主張されては纏まるものも纏まらなくなってしまいます。ある程度の歩み寄りは必要だとご理解下さい。ですから、医局を辞めるには時間的・精神的余裕を持って臨んでいただくのが良いのです。
「1年間僻地の病院に行ってくれたら辞めさせてやる」
「1年間大学で雑用をやったら辞めさせてやる」

などが一般的取引でしょうか。個別の医局の慣例によってどの程度が相場かは大きく変わってきますが、同じ医局の他の先生と比較して明らかに劣った交換条件でなければそれで交渉妥結してしまうのも一つの方法です。1年程度の回り道にはなってしまいますが、揉めずに辞めることができるのなら安いものでしょう。法律で論じてしまえば、1ヶ月前に辞職を伝えればそれでよいということになりますが、早くても半年、できれば1年はかかると考えて計画を練ったほうが良いでしょう。
時間がかかってしまうと、どうしてもイライラしてしまうものです。早く辞めたいお気持ちもわかりますが、再優先すべき項目は「医局と喧嘩しないこと」なのです。すぐに辞めさせてもらえなかったからといって、
「法律上は1ヶ月前に・・・」
などとは言わないようにして下さい。医師の世界では「法的措置に訴える人間」は好訴妄想として危険人物視されてしまいます。結局損をするのは先生です。負けるが勝ちなのです。嵐はいつか止みます。それまではひたすら低姿勢に徹しておいてください。

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