医局辞める

医局を辞めるときに注意せねばならないこと

このページをご覧いただいている先生は、医局をお辞めになるかどうかでお悩みのことと拝察いたします。お疲れのところ、大変なお思いをされているのですね。弊社のページをご覧になり、少しでもご負担が軽減されれば大変嬉しく思います。

さて、先生が転職を決意され医局をお辞めになることを決定された場合、どのタイミングで辞意を切り出すのか、誰にどのように報告するかというのは非常にデリケートな問題ですね。

「次の勤務先が既に決まっており、あとは退職の意思を告げるのみ。」
というところまで来ているならば、あともう一歩だけでゴールですが、
「転職しようとは思っているが、悩む。」
という段階では、まだ流動的です。

1.次の勤務先が既に内定している場合

次の勤務先が決まっているなら、躊躇なく前進あるのみです。医局を辞める決断をされた以上、退局話は迅速かつ間違いなく進める必要があります。

ご所属医局の教授が、よくできた方ならば教授直接交渉してしまうのが良いでしょう。しかし、曖昧な態度は控えてください。あくまでも、主体的に行動される先生ご自身の行動力や強い意思が教授の心を打つのですから。よって、
「医局を辞めたいと思っていますが、いいですか?」
というのはダメでしょう。
「コイツは何をしにきたのだ?」
と思わせ、不興を買ってしまいます。また、そう言われて
「ああ、いいよ。」
と言ってくれる教授はほとんどいないでしょう。そう言われてしまうことがあれば、それはそれで問題です。先生は医局には要らない人間だということですから。

むしろ、こういう言い方が良いでしょう。
「このたび、医局を辞める決断を致しました。つきましては、どのように関係者に話を通すべきでしょうか?」
こちらのほうが望ましいと思われます。 最初は慰留されることもあるでしょうが、先生の行動理由が前向きなものであり、先生の医師としての成長のために不可欠なものだという信念があれば教授を説得できるはずです。

この「教授の懐に飛び込み、自分の理解者になってもらう」という戦法が成功すれば
「まず直属の上司に報告し、上司の面子を立てなさい」といったアドバイスがもらえるでしょう。

トップの内諾を得ておけば途中で話が潰される心配はありません。

ただし、教授が独裁的な性格の場合は同じ作戦は通用しません。
「直属の上司を飛び超えて自分のところに来たのはけしからん」
と怒らせてしまう可能性があります。なんとも難しい手合ですが、そういう場合は直属の上司、あるいは職場内で自分に対して理解がある上司・先輩に相談しながら入念な根回しが必要となってきます。いずれにせよ、あまり転職が差し迫ってからの報告は医局も迷惑します。毎年の医局人事の検討時期に入ってからでは遅すぎます。少なくともそれより数ヶ月の猶予を持って早めに報告したいものです。

2.医局を辞めるかどうか決断ができていない場合

まだ決意ができていないなら、本当に医局を辞める必要があるのか、転職をする必要がそもそもあるのか、原点に立ち返って冷静に考えてみましょう

それは、医局を辞めた後にどうするのかを考えることです。
今の環境が過酷なため衝動的にやめたくなってしまい、辞める事だけしか考えられなくなってはいませんか?医局を辞めてその先をどうするのかを考えることがより重要なのです。

医局を辞めた後のことをよくを考えていないと、次の勤務先が決まったとしてもなかなか満足出来なくなってしまい、その内に勤務先を転々としなくてはいけなくなることになってしまう場合もあります。

既に医局を辞めることが決まっているのであれば、冷静になっていただき、その後の身の振り方をよく考えていただくと医局を辞めたことを後悔することなくその後の人生を送ることができます。

よくお考えになった上で、御自身のこれからのビジョンが決め、転職先を決めて、それから医局を辞めても遅くはないはずです。

円満な退職が転職を成功させるコツ
 退職を決断したら、たとえ慰留されても絶対に意志を曲げないこと。
医局側が反対できないような大義名分を用意しておくこと
どんなに厳しいことを言われても反発せず、恭順の意を示すこと。
の3点を守り、できるだけ円満に退職するのが転職成功のコツです。

医師の世界は意外と狭く、意外な人と意外な人に結びつきがあるものです。不要な敵をつくることで将来余計な災いを招かないとも限りません。また開業の際にもマイナスの影響が出ます。
「どうせ辞めるのだから、教授にモノ申して辞めてやろう」
などと考えず、円満に医局を去ることだけに集中しましょう。

-医局辞める