医局を辞める際に考慮すべき5ポイント
焦ってはいけません |
医局を辞めたいと思った時に、特に若い先生には一度冷静になってお考えいただきたいことがあります。医局に所属することのメリットは何か、デメリットは何か、改めてお考え直された上で転職を考えていただきたいのです。なぜなら、医局でしか出来ないこともあるからです。医局にいるからこそ出来ること、やらせていただけることが必ずあります。
医局制度には少なからず束縛もあり、自分が好きではないこともする必要が生じる場合もあり、希望されない病院で勤務することもあり・・・不自由なことも少ないでしょう。それにもかかわらず多くの人先生が医局に所属されているというのは、それに見合うメリットがあるからです。
大学によっても違いますが、大学病院勤務や医局に属している場合のメリットは以下のような点が挙げられます。
大学病院・医局のメリットを再考してください
若い医師に対する教育体制が充実している
幅広い症例を満遍なく経験できる
就職に困ることはない
就職先を自分で探す必要はない
病気や出産・育児後の復帰もしやすい
国内・国外含めて留学などの斡旋もしてくれる
研究が出来る
ざっと挙げるとこんなところでしょうか。最近は医局離れが進んでおり、医局側もやる気のある優秀な医師を獲得したいと考えています。ですから、キャリアアップや専門知識のトレーニングを行いたいと考えて医局を辞めるか今かお悩みの場合は、国内・国外留学含めて上司に相ご相談されてみてはいかがでしょうか。ご自分でお探しになるよりも、医局制度を以ってすればご希望の病院に勤務できる可能性も生じます。
医局経由のアルバイト代は割高です
大学病院の給料は高くありません。若いうちはこたえますが、初期研修が終了して医師3年目以上になればアルバイトにも出られるようになります。その後は少し余裕が出てきます。大方の場合、週1回程度のアルバイトで大学からの1か月分の給料と同程度になります。大学から斡旋されるアルバイトは世間の相場より良いことが多いです。ですから、若い先生ほど割高になっています。単刀直入に言えば、そのレートは先生の能力に応じたものではなく、派遣元たる医局に対して発生しているものです。ですから、そこで独立してしまっても同じレートでアルバイト代が稼げるわけではないのです。常勤で働くよりも非常勤で週3回程度働く方が年収が高くなる場合もあります。しかし、若い先生には向きません。フリーランス医師で常勤より高額年収を稼げるのはある程度キャリアを積んだ先生だけです。若いうちはスキルアップに専念し、医師として一人前になることを最優先していただくことをお勧めします。
医局に属していることはブランディングです
先述の話とも関連しますが、「○○大学の医局員」ということは先生のれっきとした「肩書」になっています。カッコよく言えば、「医局に属しています、私は大学のシステムに乗って研修を受けて、品質も保証されています、アウトローではなく、周りとうまくやっていける能力もあります。」と、ご自身のブランディングをしているということになります。それが将来、ご自身を高く売ることにつながります。転職の際、ご所属の医局が先生のブランディングになって転職成功につながることが多いでしょう。でも、これが通じるのは一回だけです。
医局を辞めた後の再転職では実力だけが問われます
医局を離れて転職され、その後また転職となった場合は問題です。先生の本当の実力だけが評価されるようになるからです。自由の代償と言えます。好きなように生きられるのですが、医局の看板を降ろしてしまったがために拒否されることも少なくありません。このように、医局の神通力はまだまだ健在です。医局を辞める際には相応の覚悟を持って行動する必要があるのです。
医局を辞めるのは難しくないが、戻るのは大変です
医局を辞めるという行為は(例えが悪いかもしれませんが)結婚する(入籍する)行為と同じくらい後戻りがきついものです。医局を一度辞めて、やっぱり戻りたい、そのようなお気楽な話はあり得ません。一度退局したら戻ることは絶対に出来ない、そのくらい大変な話です。特に、関連病院や近隣の病院では働きづらくなるでしょう。医局を辞めて別の病院へ転職、その数年後に働きたいと思った病院があったが医局の関連であり、妨害を受けて就職出来ないなどという話は枚挙に暇がありません。よくよく熟慮の上で決断してください。
医局を辞める前にお考えいただきたいことを書いてきましたが、医局を辞めることで得られるメリットも沢山あります。自由に勤務先を選択出来ますし、当直やオンコールのない体制での勤務や、週に数回のみで余裕をもった勤務などが可能になります。先生の身体的・肉体的負荷が軽減できるでしょうし、ご家族と過ごされる時間は増えることでしょう。
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