医局を辞めた女性医師の現場復帰は簡単ではない。
一度辞めた女性医師の現場復帰は大きな問題です。
女性医師が就労しやすい仕事場は、時間的に融通のきく職場、または夜勤や急な呼び出しのない仕事場です。臨床研修制度が開始されて以降、医局の力が弱くなったため、ご自身で就職先を探して転職する女性医師が増えてきました。
ご自身が今後進んで行く方向性を自ら選択する先生が増加しているため、若い医師を欲しがる医療施設が次第に増えています。指導医クラスの先生方から、
「技術を伝えていくために、若手医師に来てもらいたい。」
という話をいただくケースが増えているのです。
医局側の方針としては、ご自身の大学に在籍しながら地方の病院で臨床を学んでいただく狙いがあるわけですが、派遣される医師側の立場では、次はどこに飛ばされるかわからない不安があります。それゆえ一定の年齢になると医局を辞めて、他の医療機関に移っていくわけです。
教授からは研究、臨床の両方で秀でとることを要求されます。このように過酷な勤務内容にも関わらず、給料は周りの医療施設と比べて高いわけではありません。開業医のほうが年収は多い上でしょう。ハードな割に薄給ならば医局を辞めたくなるのも当然と言えます。
しかし、医師の転職活動の場合通常の転職にはない難しさがあります。すべてお一人で取り組むのは大変です。
社団法人日本病院会が会員病院がどうやって医師を採用しておるかの調査をしています。それによると、
医局からの派遣 87.1%
病院が直接公募 60.9%
医師紹介会社を利用 56.7%
病院経営者の人脈 44.0%
となっています。やはり現在も医局から医師を派遣されている病院が多数派ですが、2004年の制度変更以来医師紹介会社を利用する病院が増えているのです。
この傾向は都市部でも地方でも同様です。
医局を辞めるためには?
「もっと臨床がしたい」
「家庭の事情を無視した派遣命令に嫌気がさした」
「やりたくもない研究をさせられる」
医局を辞めたくなるのは、概ねこういった理由からでしょうか。女性医師の場合、喧嘩せずに大学病院の医局を辞めることが大切なのです。
しかしながら、医局側に非があるような理由を口にするのはやめておいたほうが良いでしょう。心象が悪なりますし、辞めたあとに医局と何らかの接点が生じた場合に気まずくなります。医局を穏便に辞めたいのなら「自己都合」を強調する方が無難です。
「結婚のため」
「親の病医院を継ぐため」
なんでも良いのです。
医局を退局するのなら、医局に非があるような理由は避けましょう。なるべくご自身の都合で仕方なく退局するような形式で申し入れるほうが無難です。
「本当は辞めたくないのだけれど、やむなく・・・」
という余韻を残して去るのが良いでしょう。
退職届をはいつ提出すれば良いのかも、予め確認しておきましょう。