医局を辞める際、家族を味方につけることは基本中の基本です。
独身の若い先生よりも3,40代のキャリアを積んだ先生が医局をお辞めになろうとするケースが多くございます。3,40代になると家庭を持つ先生が増えるため、独身の先生とはまた違った配慮が必要になって参ります。最初に退局後の職場を確保しておくことが必要になります。失業の憂いを予めなくしておき、家族に迷惑をかけない辞め方をすることが求められるのでございます。
医局を辞める際、家族を味方につけることは基本中の基本でございます。とりわけ、夫婦間での連携を密にして、信頼関係を高めておくことは不可欠と言えるでしょう。奥様、旦那様が納得するまで御自身の意志を繰り返し分かりやすく伝えて、理解を得ておくことが大切でございます。
「医局を辞めると言った場合に反対されるのが怖い。」
などといった理由で、奥様旦那様に相談をされないまま医局を辞める活動、転職活動を進められている先生も少なくございませんが、これは厳禁でございます。
もちろん、うまくいけばいいのですが、万が一のときには大惨事を招きかねないからでございます。
医局によっては、奥様までをも巻き込んだ引き留めをするところもあるようでございます。まるで子供の喧嘩と言えますが、教授や医局長が先生の留守中、御自宅に電話をし、奥様に問い糺す場合もございます。後ろ指をさされるようなことは何もしていないのですが、
「うちの夫が医局を辞める?今初めて聞いたわ。」
などという状況になってしまうと、奥様から
「どうして私に相談してくれないの?」
という非難を浴びることになってしまい、医局と奥様の両方から攻撃をうけることになってしまいます。これでは医局を辞められないだけでなく、家庭崩壊にも繋がりかねない非常事態になります。
奥様旦那様に猛反対されたとしても、理解が得られるまでじゅうぶんに話し合うことが大切でございます。
続いて、予め徹底的に考えておくべき点がございます。
「医局を辞めた後、先生はどうされたいのか。」
という点でございます。無事に医局を辞めることができた場合でも、それで終わりではございません。それはスタート地点に立ったに過ぎないのです。その後どうするのかという計画が立案されていなければ、ご家族を不安にさせてしまいます。医局を辞めてからどうするのか、既に転職先が決まっているのかどうかを予めご家族にお伝えになり、理解を得ておく必要がございます。
家族を味方につけることは絶対に必要でございます。そうすれば、医局をお辞めになる際、医局から引き留め工作の電話が自宅にかかってきたとしても家族が先生を守ってくれます。医局を辞める理由として、家族の介護が必要であることなどを挙げている場合、ご家族との間でじゅうぶんに口裏合わせができていませんと、たちまち嘘がバレて窮地に追い込まれることになってしまいます。
これまで書いて参りましたことを踏まえますと、やおら医局を辞めようと活動を開始することは良くないことはおわかりいただけたと思います。何より家族の負担が大きくなります。家族からのサポートやフォローがあってこそ、スムーズに退局できるものでございます。まずはどのような夢、理想を持ってご退局をお考えになっているのかをご家族にお伝えになることからスタートしていただきたいのです。それが、ご家族をお持ちになる先生の退局の第一歩なのでございます。