医師の転職は引き継ぎまでが転職です
ご勤務されていた医療機関職場をお辞めになる際には、引継ぎをしっかりと行ってください。
職場を離れられる前に、これまで行ってきた業務内容をしっかりと整理して後任者にお伝えください。
個々の患者さんへの対応は、成分化することが難しい微妙な物が多いものですが、それをいかにうまく伝えるかが大切になってきます。
今回は、医師が転職する際に気を付けておきたい引継ぎのポイントをまとめました。
■周りの方々の手助けを請う
日々変化する患者さんの状態や具合に合わせて仕事内容を変えていく医者にとって、毎日の業務が引継ぎの連続に感じるかもしれません。ですが、退職が決まったらしっかりと詳細ある引継ぎを行う必要があります。
忙しい日常業務の中で、引継ぎを行う時間はなかなか取れないかもしれません。そのためにも後任者や看護師などにも手助けしてもらいつつ、少しずつ引継ぎ業務を進めていくというのが良いかもしれません。
■スケジューリングと診療記録の整理
退職日が決まっているなら、まずはそれに間に合うように引継ぎのスケジュールを立てます。しっかりとしたスケジューリングがなされていなければ、退職日が延びてしまうという事態にもつながりかねません。
スケジュールを定めたら、今後は担当している患者さんの診療記録を整理していきます。特に外来や長期療養患者を担当されている医師の方は、この作業が重要になります。
後任者が残した記録を見て、患者さんの経過や問題点などが分かるようにコメントを添えることも重要です。
もし退職までの日にちに余裕がなかったり、後任者に引継ぐ日数が少なかったりした場合でも、こうしたデータを残しておくことで後任者がスムーズに業務をこなすことができます。
■患者さんへの対応も重要
医師が退職する場合に気を付けるべきなのは、何も職場だけではありません。担当している患者さんにも対応が必要になります。突然担当の医師がいなくなったら、患者さんの不安を煽ってしまいます。退職が決まったら患者さんにも伝えておきましょう。
患者さんによっては、今後も継続して治療を続けて欲しいと言われることもあるでしょう。
こうしたケースは特に注意が必要です。
退職した後、担当していた患者さんは後任者に任せるというというのが一般的です。しかし、退職した医師が前の職場から新たな職場に患者さんの個人情報を持ち込むことは許されません。これを行うと、前の職場との関係が悪化してしまいます。
できるなら患者さんと話し合った上で病院に残るか、ご自身に関わりのない病院に転院することを勧めて紹介状を書いてあげると良いでしょう。
この記事をご覧の先生のなかには初めて転職をされるという先生もいらっしゃることでしょう。
何を引継ぐべきか分からないという方は、自身が担当している業務を細かくリストアップしていきましょう。
病院によっては後任者が決まっていなかったり、勤務がかぶらなかったりというケースもみられます。
そうした際は、診療記録の整理の重要度が増します。しっかりと計画に基づき引継ぎを行って円満に退職をされてはいかがでしょうか。