医師不足

医師のUターン促進に地元出身医師のデータベース化

医師不足に悩む地域で、地元出身の医師をデータベース化して呼び戻す試みが広まっています。高校までは地元で育ち、県外の医学部に進学してそのまま大学のある都道府県に留まっている先生は非常に多くいらっしゃいます。送り出した側の都道府県が深刻な医師不足に陥っているケースも数多く、医師のUターン促進が大きな政策課題になっているのです。

例えば、離島を多く抱える長崎県佐世保市もそういう自治体のひとつです。
佐世保市は本年度、市医師会などと連携し、医療需給調査や県外にいる地元出身医師のデータベース化に着手する予定です。不足状況を診療科ごとに把握し、Uターンの意向がある医師と後継者がいない地元病院などとのマッチングにつなげたい考えです。 
  
人口10万人あたりの医師数は、長崎県内全域の287.6人に対し佐世保県北圏域は225.3人に留まります。佐世保市をのぞく県北では126.8人と、離島部の161.4人よりも少なくなっています。 
  
長崎市医療政策課によると、常勤医師はさらに不足していて、休日夜間の救急医療や高度医療が十分にできない状況が続いています。データベース化などの取り組みは、国が注力する地域創生の「先行型事業」として実施。事業費は約900万円です。将来的には、大学に地域医療の在り方を研究してもらう「寄付講座」の設置も視野に入れています。同講座は、大学に所属する医師が地域に出向いて調査研究するとともに診療もする利点があります。市は今後、県内外の大学と連携可能性を検討する予定です。 


このような寄付講座は長崎県外でも深刻な医師不足に悩むいくつかの自治体で検討されています。医師のUターン促進に地元出身医師のデータベース化が一役買う時代が来ています。

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