尾鷲地域の医師不足が深刻な三重県ですが、医師の偏在が深刻化しているようです。三重県内の医師総数は増加している一方で、偏在が加速しており、まさに日本の縮図です。三重県内では専門医を養成するプログラムを使い、偏りを解消する取り組みが進んでいます。17診療科の専門医を養成するプログラムで、若い医師が複数の医療機関をローテーションすることで医師の偏在を改める仕組みを作っていて、全国的にも注目を集めていますが、結果が出るにはもう少し時間が必要なようです。
三重県の医師偏在は総務省行政評価局の調査で明らかになっています。行政評価局によると、医療機関で働く医師は2012年に約289,000人で、2008年から約17,000人増えました。三重県の人口10万人あたりの医師数は197.3人で全国37位でした。
三重県内にある4つの2次医療圏の人口10万人あたりの医師数は、
中勢伊賀(津市、伊賀市、名張市)が259.7人
南勢志摩(松阪市など)が201.5人
北勢(四日市市、桑名市など)が167.3人
東紀州(尾鷲市、熊野市など)が152.7人
尾鷲市、熊野市を含む東紀州の医師不足度合いが最も深刻であることがわかります。
2008年と比べて、中勢伊賀で21.4人、南勢志摩で19.4人、北勢で7.2人、東紀州で9.4人増えてはいるのですが、格差が拡大する傾向です。
三重県の医師の偏在の解消が早く進むといいですね。