外国人医師を医師不足の地方に入れて解決しようという動きが表面化していますが、非常に危険な動きであると言わざるを得ません。地方の医師不足は「医師の偏在」でしかなく、単に地方に住んで医師をするということが大多数の医師に支持されなくなっているからそうなっているだけなのです。
これを解消するためとして医学部の定員増や東北薬科大の新設医学部などが検討されています。これも由々しき事態ですが、外国人医師を地方に入れるというのはいかがなものでしょうか。
地方に好条件の求人があればこそ、非常勤で勤務する医師がいます。所謂「遠征系アルバイト」です。低賃金の外国人医師を入れるようになればこれはなくなってしまいます。医師給与のプライスリーダーたる地方の医師の給料が大幅に下がることは間違いありません。そうすれば都市部の医師の給料も必ず下振れ圧力を受けるでしょう。
外国人医師の診療許可は都市部の特区で許可されるだけではなかったのではないかと思うのですが・・・話が違うように思います。
国家戦略特区諮問会議は、外国人医師の地方での受け入れ拡充を国会に提出する国家戦略特区法改正案に盛り込む方向です。現在は国が指定する都市部の大病院に限定されているのを日本人の指導医確保を条件に、地方の小規模な診療所でも受け入れを可能とするとしています。地方での医師不足への対応や外国人からの患者を受け入れる「医療ツーリズム」の普及を後押しする狙いがある模様です。「医療ツーリズム」は良いが、地方の医師不足地域に外国人医師をあてがうと思われても仕方がありません。