日向市立東郷病院の内科医退職問題の続報です。常勤医の相次ぐ退職で診療科の縮小や入院患者の受け入れ中止に追い込まれる可能性が出ている問題です。
宮崎県日向市の市立東郷病院(崎浜正人院長、30床)の内科常勤医が退職される問題で波紋が広がっています。お伝えしたとおり、常勤内科医師1名が7月末を以って退職されるご予定です。市が来年度の完成をめざしている建て替え計画への影響も懸念されています。
医師不足に直面した日向市は、後任の医師を募集していますが、現在のところ見つかってはいないようです。このまま見つからない場合は27日から内科の診療を休止することにしています。また、13日から新たな入院患者の受け入れも行わないことを表明しています。
これらの事態を受け、日向市は7月1日夜、同市の東郷公民館で住民向けの説明会を開催しました。住民説明会には250人以上が出席し、立ち見もでるほどで、住民の関心の高さが伺えます。黒木健二市長は医師の退職の理由について「家庭の事情」などと説明されました。「ドクター探しに終始した半年だった。ただ、今は全然先が見えないという状況でもない」と理解を求めました。説明会で黒木健二市長は
「休止とならないよう、医師確保に全力を挙げたい」
と述べられ、病棟は昭和49年に建てられ、雨漏りなど老朽化が進んでいます。検査機器も満足とはいえない状態で、市はCTスキャンなどを備えた新病棟を9億円をかけて建てる計画を進め、2017年4月の開院を目指していると説明されました。
区長会は、後任が決まるまで内科医にいてほしいという内容の署名活動を始めている。
崎浜院長は
「県内で医師の求人が常に350人ほどあるが、求職者は数人というのが実情。病院の体制をしっかりしなければ医師の確保は難しい」
「建て替えの信念は変わっていない」
とお話しになりましたが、後任が見つからなければ補助金など資金計画にも影響を与えるとみられます。
日向市立東郷病院は従来、内科・外科・整形外科・リハビリテーション科の4科を常勤医3人で担当してきました。日向市立東郷病院は旧東郷町の国民健康保険病院が前身で、2006年の日向市との合併で市立東郷病院になりました。旧東郷町で唯一の入院施設を持つ施設です。救急病院として夜間や休日に急患も受け入れており、特に高齢者にとっては欠かせない医療機関であると認識されています。今年3月末に整形外科医が退職されました。その後、宮崎大学が整形外科医を週1回派遣するようになり、夜間休日の当直は常勤医2人と民間病院の医師、宮崎大学の医師の計4人が交代で当たってきた経緯があります。今回、内科医が退職されることで、常勤医は外科医の崎浜院長のみとなる見込みです。現在入院中の患者は近隣の病院に転院いただく方向で調整を進めているようです。
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