神奈川県の黒岩知事は6月29日の神奈川県議会本会議の会答弁で、秦野赤十字病院の分娩休止問題について危機意識を鮮明にしました。自民党の神倉寛明氏(秦野市)の一般質問に答える形での答弁を行いました。
「分娩再開には、まず病院が主体的に医師確保に努めるとともに、分娩業務を担える助産師の育成・確保を図るなどチームで支える態勢づくりを工夫することが必要だ」との認識を示しました。
まず、病院主体での医師確保が求められます。
昭和大が秦野赤十字病院の産婦人科医師の引き揚げを表明したのは昨年5月。従来、昭和大学から常勤3人、非常勤4、5人が派遣されてきましたが 、昭和大が5月、付属病院のスタッフ確保を理由に派遣打ち切りを通告していました。
困った秦野赤十字病院は、県内の複数の大学病院に派遣を求めるとともに、昭和大に再考を要請しました。その後、秦野市と神奈川県の両者が昭和大と調整した結果、完全は引き揚げは回避されています。昨年12月には医師確保の目処が立ち、来年度も診療を継続できることになったと発表がありました。ただ、平日の日中、外来のみに限定され、分娩は近隣病院への紹介となり、まだ完全とは言えません。
とはいえ、診療内容は縮小されながらも産科医派遣は継続されていますし、健診や相談などの婦人科は継続しています。今後、さらなる充実が求められるところです。