アベノミクス戦略特区で外国人医師の診療許可
という話は2年前から出ています。 今回はより具体的な話が出ていますし、東京都に限定しない話が出てきました。地方の医師不足にこれを用いていくようです。指導する医師がいれば、外国免許を持った医師でも良いようです。
一応、外国人観光客を相手にした医療ツーリズムを念頭にしているとしていますが、僻地に医療ツーリズムでもないでしょう。僻地の医療機関で外国で資格を取った医師が研修目的で働ける仕組みを作るのが目的です。特区の有力候補である秋田県仙北市などの要望を受け、「臨床修練制度」と呼ばれる仕組みを拡充。現在は国が指定する都市部の大病院に限定されていますが、指導する日本人医師が確保できれば小さな診療所でも勤務可能にする予定です。
臨床修練制度とは何でしょうか?
外国で資格を取った医師が研修目的で働ける仕組みです。特区の有力候補である秋田県仙北市などの要望を受けて、臨床修練制度を拡充するようです。指導する日本人医師が確保できれば、小さな診療所でも勤務可能にする方針です。
少々拙速な議論ではないかと言わざるを得ません。将来に禍根を残すことがあってはなりません。
外国の医師免許しか持たない医師が医師不足地域に続々とやってきて、監督する日本人医師を立てれば診療できてしまう。これまで営々と築き上げた日本人医師の聖域が侵されてしまいます。
ハンガリー国立大学医学部に行く日本人が増えていますが、
卒業生のほとんどはそのまま日本に帰国しています。卒業すれば自動的にEU医師免許がもらえるのに、日本に戻り日本の医師国家試験を受けています。これはいわば合宿制の自動車教習所と同じで、日本の医師国家試験の受験資格を得るために行っているわけです。日本の国立大学の医学部に入学するのは難しく、かといって私大医学部は負担が大きすぎる層の受け皿になっているのですが、今回の規制緩和で一番得をするのは彼らでしょう。
なぜなら、ハンガリー国立大学医学部に行けば日本の医師国家試験に通らなくても戦略特区では医療行為ができてしまいます。日本人医師の監督があればよい。日本の医師国家試験を受ける面倒を回避できます。日本人ですから日本語は完璧。医師不足に悩む地方の患者もスイスドイツ語で診療を受けたいスイス人患者のような悩みは無用です。
日本の医師国家試験に受かるのが普通免許だとしたら、これはAT限定免許のようなものでしょうか。都会で働きたいというワガママを言わなければ、日本国内で医師として働けるのです。
このような「抜け道」があるということです。感心しませんが、ハンガリー国立大学医学部を出た日本人を逆輸入すると、クリアできてしまいますね。落としどころはこのあたりでしょうか。
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