日本の医師免許を得るには、医師国家試験に合格しなければなりません。
3月19日、第108回医師国家試験の合格発表がありました。私の知り合いの先生の母校の合格率は95%を超えており、胸を撫で下ろしていらっしゃいました。先生の母校はいかがでしたか?
さて、海外国立大学から日本の医師免許取得が可能であるとして注目を集めているハンガリー国立大学医学部。
ハンガリーに行ったら温泉に浸かり、フォアグラを食べたいですね。楽しい大学生活が送れそうです。
さて、こちらを卒業した学生も今回の医師国家試験を受験していました。ハンガリー国立大学を昨年6月に卒業した7名がEUの医師免許を取得、6名が日本に帰国しています。ハンガリーの医師国家試験に相当する卒業試験に合格するとハンガリー医師免許が与えられます。それは同時にEU28ヶ国で通用する医師免許でもあります(実際に個々の国で医師をするには個々の国の語学試験をクリアする必要あり)そのうち4名が日本の医師国家試験に合格。ダブルライセンスとなっています。
日本の先生方からするとEU医師免許を取れることの方が魅力的に映るようですが、
大半の卒業生が帰国している現実を見ると、臨床医の海外雄飛はそう甘くないのだなと思います。EUの医師免許を取れるのはすごいですが、持っていたら安泰というシロモノではありません。ルーマニアの医師が何が何でもドイツかオーストリアで働こうと努力するのは母国の10倍稼げるからです。
EU内で一番待遇が一番良いのはスイスで、ドイツ、オーストリアと続きます。ドイツ人医師がスイスを目指す一方で、ルーマニア(羅)やブルガリア(勃)の医師がドイツを目指す構図が出来上がっているのです。しかし、スイスの移民規制は厳格化しています。ドイツも東欧系移民の締め出しに動いています。ハンガリーの医師の待遇はよくわかりませんが、独墺と羅勃の中間でしょう。EU経済の盟主であるドイツであってもそれほど景気は良くない。東欧系移民がブロックされるくらいですから、日本人医師に対する風当たりが弱いとは思えません。卒後日本に戻ってきてしまうのも無理からぬことです。
しかし、これでは合宿免許と変わりありません。地方の医大の海外版です。
地方医大は都市部の学生が地方の医大に入学するも6年で戻ってきてしまう合宿免許の医学校に堕していますが、同じことを海外でしているだけです。日本の国立大学に入るのは難しい、かといって私立大学に行くほどの経済的余裕は無いという層には魅力的な選択のようです(学費+渡航費+生活費を考えても私大に通うより安価)。
日本に戻らなかった1人の卒業生、頑張ってください!
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