大学病院の医局をスムーズに辞めることが大切なのです。
退局を切り出すにあたって、教授に納得してもらうための「医局を辞める理由」を用意しなければなりません。
教授のメンツを潰さず、無用な争い事を起こさず、円満に医局を辞めることを目指しましょう。
よくある退局理由
家庭の事情などの個人的理由で押し通すのが良いようです。それも、できるだけ、社会常識として止むを得ないと、受け容れやすいような理由が良いでしょう。そのような理由を持ちだされれば、引き止める側も慰留しにくくなります。
結婚・出産のため
女性医師によく使われる理由です。
親が診療所等を手伝う、継承する
親が診療所等を開業していて、それを手伝う、または継承するということはありがちです。
親の介護のため
親の年齢によりますが、要介護状態ではなくとも、親の体調不良が心配で、面倒を見たいということになると、医療に携わる人は反対しにくいはずです。
パートナーの転勤
こちらも、女性医師に使われやすい理由です。
体調不良
勤務を続けることが困難ということであれば、理解を得やすいでしょう。
新たに取り組みたいことの環境が、現在の医局にない他とは異なるタイプの理由です。一見わがままのようですが、成長したい気持ちが伝われば、それを妨げるような引き止めは、しにくいものです。
退局を申し出る前に、次の行き先を決めておく
医局を辞めるタイミングも非常に重要です。退局を申し出る段階で、次の行き先を決めておくのが理想です。次の行き先が決まってなければ、引き止める余地があるという期待感を相手に持たせてしまいます。好条件や妥協案が出てきて、いたずらに交渉を長引かせ、こちらの神経をすり減らせることになりかねません。
一度、退局を申し出たら、不退転
小説やテレビドラマでの出来事かと思うような、引き止めのための恫喝、泣き落とし、引きのばし等が実際にあるようです。しかし、そうした圧力に屈して残っても、自分の首を締めることになります。
肚の中を探り合いながら仕事を続けることになりますし、長い目で見て、ステップアップにつながるような立場を任されることにはならないでしょう。
一度、退局を申し出たら、時期等で妥協することはあっても、退局の医師を貫徹しましょう。
あくまでも冷静に、丁重に
過度と感じられるくらいの慰留があったとしても、冷静に丁重に対処しましょう。そこで感情的に振る舞ってしまうと、手痛いしっぺ返しを喰らうかもしれません。
医局は地域に対して一定の影響力を持っています。また、世間は狭いもので、学会、同窓会などで教授本人やその知人とかかわるかもしれません。医師としての今後を考えて、落ち着いて、粘り強く対処しましょう。