医局をスムーズに辞める。
1月も下旬になり、そろそろ来年度医局人事が出る時期です。希望通りの病院を提示された先生もいらっしゃれば、そうではない先生もいらっしゃるでしょう。来年度人事が出揃うこの時期。この時期こそが多くの先生が医局をお辞めになるタイミングです。
過去には医局人事には有無を言わさぬ強制力が伴っていましたが、今の時代にそれをすれば若者は逃げてしまいます。医局システムも時代の変化に対応を迫られているのです。10年前にスタートした新・臨床研修制度で大学医局の優勝劣敗が明確になりました。キャリアパスに魅力がない医局には人が入りません。
医局長の苦労は過去より格段に増しています。以前のように命令を押し付けるだけのロボットでは済まなくなったからです。
今の時代、医局長にはいうべきことを言う、わがままを言う、そういった姿勢が求められるようになってきているのです。医局長にそれ相応の希望をきっちり伝えている先生は待遇がよい病院のポストを捕まえたり、アルバイト先にも不自由しない、そんな風潮が出てきています。これでは、黙って我慢していれば貧乏クジが廻ってくるだけです。
医局長は弱い人を狙い打ちにします。或いは、貧乏クジの関連病院を順番に院生、医局員といった立場の悪い若手医師にたらいまわし・・・そんな医局に嫌気が差している先生は少なくないでしょう。
「医師を辞めたい」
とまで思いつめてしまう先生がいらっしゃいますが、そんな風に思う必要はありません。自分の気持ちに正直に生きれば良いのです。周りの空気ばかり読んでいては展望が開けない時代なのです。わがままを言う勇気、毅然と医局を辞める勇気が必要です。