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定員割れ相次ぐ医学部の地域枠。当然です。

定員割れ相次ぐ医学部の地域枠

地域枠自体は悪くないアイデアですが、運用の仕方が問題です。
まず、地元の高校の学生に限定すべきではありません。要はそこに残ってくれれば良いわけですから、卒後9年間の縛りを強制する代わりに全国どこからでも採れば良いのです。恐らく、そうすると地元の開業医などから「それじゃ自分の子供が入れなくなる」という文句が出るのでしょうけれど。

地域枠を無闇に広げすぎるのも問題です。枠を広げても、地域にそれほど多くの優秀な学生がいるわけではありません。学生の質を落としてまで無理に地域の学生を採る必要はありません。一学年あたりせいぜい10人が良いところでしょう。医学部の学生の大量留年が問題になっていますが、優秀では無い学生を無理に入学させているところに問題の原因があるのです。

僻地の医療崩壊に対する唯一の策は、地域医療の報酬を手厚くすることに尽きます。僻地の医療機関の診療報酬は1.4倍にする。勤務医の給与水準も上げる。これだけで解決します。(無駄な箱物、天下り、教官ポストを増やすだけの)医学部の定員増も医大の新設も不要です。

定員割れ 医学部の「地域枠」、22都府県定員割れ 本社調査
日経新聞 2012/12/2
地域の医師不足を解消する切り札として都道府県が大学医学部などに設けた「地域枠」で定員割れが生じている。日本経済新聞社の調査によると、2012年度は回答した46都道府県のうち22都府県で利用者数が定員数を下回った。定員割れは11年度の18府県から増えており、地域の医師確保に黄信号が点灯した形だ。(詳細を3日発行の「日経グローカル」に)
調査は地域枠を導入している全都道府県を対象に、11月にアンケート方式で実施。福岡県以外から回答を得た。
都道府県は域内の大学医学部などに地元出身者らを対象にした入学枠を設けている。卒業後は一定期間、過疎地で勤務することなどを条件に修学資金を貸与し、条件を満たせば返済を免除する。
12年度の定員割れが最も多かったのは三重県の69人。同県は「利用者の一部を把握していない」として定員割れの人数が若干減る可能性を示しながらも「高校生が将来の職業として、地域医療に対する関心を持つ環境が整わないのが一因」(地域医療推進課)と人数が多い理由を説明する。
2番目の鹿児島県は定員43人の地域枠の中に他県の大学で学ぶ学生でも利用できる制度を設けているが、その制度の利用者はゼロだった。同県地域医療整備課は「他県の医学部学生に鹿児島で地域医療に従事する魅力が伝わっていないようだ」としている。

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