宮崎大学医学部地域医療学講座の医師不足
宮崎大学医学部地域医療学講座の医師不足問題が話題になっています。
平成22年4月、宮崎大学医学部地域医療学講座は宮崎県の寄附講座として発足しました。宮崎県の地域医療に根ざした総合医の育成と救急医療の充実を目的として教授1名、助教3名と事務担当者1名でスタートしています。
具体的目標として、「毎年度地域の中核医療機関へ4人以上の医師を派遣すること」が掲げられていました。その意気やよし、ですが、なかなか結果が出ません。派遣実績平成22年度以降1人、2人、2人、0人、0人という結果に終わっています。
宮崎県議会議員 清山知憲氏のブログで詳しく述べられています。
(引用開始)今まで同講座に雇用されていた医師の方々も、教授を除いて5人中4人が退局され、国外や県外、他の医局に行ってしまわれたと報告がありました。
県はこの講座、設置を決めてお金を出すところまでは良かったけれど、その後は主体的に関与する姿勢もなく、大学に丸投げ。そうした姿勢があまりに目についた(引用終わり)
こういった講座はすぐに結果が出ないと
「県民の税金を投入しているのにムダ使いだ!」
と糾弾されてしまいがちですが、総合医と救急医の育成が目的ですからもう少し長期的視野で評価してあげないと可哀想な気がします。宮崎大学の学生に地域医療の大切さを説き、臨床実験で体験させ、初期研修や後期研修で実地を体験させる。最低でも5年、できれば10年は温かく見守ってあげないと結果が出ませんよね。「教授を除いて5人中4人が退局」というのはただならぬことです。地域医療学講座の先生方は大変なプレッシャーの下で努力を続けられて来たのだと思いますが、重圧に耐えかねたのでしょう。清山議員のご指摘通り、予算だけ出して大学に任せてしまうのではなく、宮崎県がもっと手厚いフォローアップをしてあげるべきだったのだろうと思います。