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世界トップの医師が日本に来るはずがない!

日本語で診てくれるのなら、是非お願いしたいですが。先日記事にしたスイスドイツ語で診療を受けたいスイス人の気持ちがわかりました。母国語でないと問診にしても微妙なニュアンスが伝わりませんよね。日本語を全く解さない中国人、欧米人、アフリカ人などが日本の医療機関で診療を受ける場合は日本語でコニュニケーションをじゅうぶんとれる家族や友人が連れてきてくれる場合はまだ良いです。通訳してくれる人に患者さんが遠慮せずに細かいことを言えます。それに付き合って細かく聞き出せます。しかし、医療通訳を介した場合はなかなか難しいですね。患者さんが通訳になかなか心を開かない、遠慮してしまうようなことがままあります。そうすると問診も弾まない。良い診察になりにくいです。

自分がそのような立場の患者だったら、通訳を介して色々訴えるのを遠慮してしまうだろうと思います。間にワンクッション置かれると、ちゃんと分かってくれているのか不安になる。自分の訴えを聞いた時の医師の目の動きや表情がすごく気になります。

自分がそのような立場の患者だったら、と想像してみましたが、そこら中に世界に冠たる先生が来るわけではないようです。

「専門分野で10年以上の診療経験がある医師が対象で、大学病院や国立の高度医療研究センターで受け入れる。滞在期間を最長4年に延長し、審査手続きも簡素化する。」
とありますから、長崎の出島と同じです。外国人隔離政策は日本のお家芸です。これで街の先生方が割を食うことはないはすです。とりあえず、お役人様達にとっては「実績作り」が大切なんです。

ところで、私は日本人医師の臨床能力は世界的に見てトップレベルだと思っています。これだけ高度な医療を国民に遍く安く提供できているから、医師も思う存分のことができ、ますます技術が上がるのです。こんなことが実現できているのは日本くらいでしょう。国民皆保険制度ってありがたいですね。

高度な医療技術を日本人医師に伝授したり・・・というのは明治時代の初期ならともかく、平成20年代の日本ではあり得ない感覚です。そもそも、受け入れ先が大学病院や国立の高度医療研究センターです。世界のトップスターに相応しい報酬を用意できますか?ただでさえ円安政策で円建ての給料は米ドル建て、ユーロ建てではこの一年間で大きく目減りしています。明治政府はお雇い外国人に相当な高給を払っていましたが、同じことができるのでしょうか。できないと来ないでしょう。
最先端の医療技術の国内導入を加速させるより、最先端の医療技術の海外販売を加速させるほうが成長戦略としては大きいでしょう。

しかしながら、そうなれば洋の東西を問わず医師免許が絡んできて、受け入れ側の国の医師が猛反発します。日本の進んだ医療技術を日本人医師とセットで海外に輸出して、外貨獲得というのが現実的な成長戦略となります。アラフォーの私だって、それなりの報酬が得られるとなれば語学だって何だって必死で勉強して食らいついて行きますよ。日本国内に残っていても人口減少、高齢化です。医療費を負担できる労働人口が減るのに主な受給者である高齢者ばかり増える。おまけに医師は大増産。どう考えても医師ひとりあたりのパイの配分は減ります。

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