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放射線読影のオフショアリングが始まる

放射線読影のオフショアリングが始まる

読影医不足に悩む岐阜県の病院が放射線読影のオフショアリングに挑みます。
オフショアリングはITや金融業界で広く行われています。オフショアリングの歴史は90年代の米国においてコールセンターや簡単な事務処理をインドの低賃金労働者に委託してコストダウンを図ったことが始まりでした。英語に堪能で数学にも強いインドへのオフショアリングは米英に加えて欧州にも広がり、最近では委託先として中国も台頭しています。そうすることで企業はコストダウンできますが、母国の労働者は不要になるという問題も抱えています。

さて、本題に戻ります。木沢記念病院では夜間に放射線科医の読影が必要になった場合は常勤医を起こして対応していました。これは負担が大きいですね。そこで、ロチェスター大学の北之園高志先生と契約して、時差を利用した読影のオフショアリングを始めました。東京とホノルルの時差は19時間。日本の午前3時はホノルル時間では前日の午前8時。未明の緊急読影を無理なく依頼できます。

放射線科の読影はその場にいなくてもできるのが強みで、遠隔医療の恩恵を最大限に受けられる分野です。しかも時差を活かして日本の深夜帯に対応する発想が素晴らしいです。オフショアリングが今後増えるかもしれません。北之園先生は昭和大学横浜市北部病院の兼任講師をされているようです。リンク先で北之園先生が書かれているように、海外リゾート地における遠隔画像診断がそのような多様性の一環となれば放射線科医の魅力は増すでしょう。

海外に拠点を持ってリモートで日本の読影医をする。カッコイイですね。

スイスやモナコ等に拠点を構えたら日本との時差は8時間。日本の午後10時は前日の午後2時、午前0時は前日の午後4時、日本の午前3時は前日の午後7時、その後は現地時間で夜なのでQOLが下がりますね。欧州に居住して明け方の依頼に対応するならもう少し東の国が良いでしょう。しかし、魅力的なところが少ない。ハワイを選ばれたのはとても良い選択だということがわかります。
このケースでは読影医が日本の医師免許を持っているので問題ありません。日本の医師免許を持たない海外医師がこれをやろうとした場合法的に抵触するのかどうか。多分NGな気がします。NGじゃないと労賃の安い途上国の読影医にオフショアリングされて終わりです。日本の放射線科医に夢を与えるためにもNGであって欲しいものです。

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