医師の当直・オンコールの負担を調整する|宿日直の考え方と勤務の見直し

⏱️ 30秒でわかる要点

  • 宿直・日直は、要件を満たして労働基準監督署の許可を受けた場合に、労働時間や休憩の規定が適用されない扱いになる
  • 許可の基準は、勤務時間の拘束から完全に解放されていること、軽度または短時間の業務であること、夜間に十分な睡眠がとり得ることの3点
  • 呼び出しの対応が常態化していると労働時間と評価される可能性があるため、件数や対応内容の記録が手がかりになる

→ 宿日直の要件、オンコールの考え方、負担を調整するときの具体策を整理

当直やオンコールの負担が続くと、体力だけでなく診療の質や生活の見通しにも影響が出ます。負担を調整するときの前提になるのが、宿直・日直という勤務の扱いです。名称は同じ「当直」でも、労働時間として扱われるかどうかは要件によって分かれます。

このページでは、宿直・日直が労働時間の規定の適用外となるための要件、オンコール(待機)の考え方、負担を調整するときの具体策を整理します。

宿日直と当直・夜勤の違い

一般に「当直」と呼ばれる勤務には、宿直・日直と夜勤があります。扱いが異なるため、まず区別しておきます。

  • 宿直:夜間の断続的な勤務で、通常はほとんど労働をする必要がないもの
  • 日直:日中の断続的な勤務で、休日に当たることが多いもの
  • 夜勤:夜間に通常の勤務と同様の業務を行うもので、労働時間として管理される

名称だけでは判断できないため、実際の業務の内容と、勤務先が許可を受けているかどうかを確認することが出発点になります。

宿日直として扱われるための要件

医師等の宿日直については、厚生労働省の通達(令和元年7月1日付 基発0701第8号)で許可の基準が示されています。

  • 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後の勤務であること
  • 宿日直中に行う業務が、特殊な措置を必要としない軽度のもの、または短時間のものにとどまること
  • 夜間に十分な睡眠がとり得ること

突発的な事故による応急の診療や、入院患者の死亡への対応などは、許可される宿日直の業務には含まれません。これらが日常的に発生している場合は、許可の前提と実際の勤務が離れている可能性があるため、勤務の実態を記録して確認する必要があります。通達の内容は厚生労働省のサイトで確認できます。

オンコールの待機時間をどう考えるか

オンコールは、呼び出しに応じる待機の勤務です。待機中の時間が労働時間に当たるかどうかは、呼び出しの頻度、対応までの時間の制約、施設内で待機するか自宅で待機するかといった実態に基づいて判断されます。

自宅で待機し呼び出しが稀な場合と、施設内で待機して頻繁に対応する場合とでは、評価が異なるとされています。勤務条件の確認では、待機の形態と手当の扱いをあわせて確認しておくことが有用です。

待機の条件が変わったときは、その都度、勤務条件の確認と記録を行っておくと、後からの説明がしやすくなります。

負担を調整するときの具体策

当直やオンコールの負担は、勤務の組み方と体制の見直しで調整できる場合があります。

  • 当直の回数の上限を決め、勤務表の作成段階で先に確保する
  • 複数体制やオンコールの交代制など、対応を分散する方法を検討する
  • 当直明けの勤務の開始時刻や外来の枠を調整する
  • 呼び出しの件数と対応内容を記録し、体制見直しの材料にする
  • 退職や休職を検討する前に、勤務形態の変更(常勤から非常勤など)を相談する

記録が残っていると、勤務体制の見直しの話し合いが具体的に進みやすくなります。負担が続いて体調に影響が出ている場合は、勤務の調整とあわせて、早い段階で相談先を確保しておくことが大切です。

よくある質問

当直の手当はどのように決まりますか?

宿日直として許可されている場合、手当は時間外労働の割増賃金ではなく、宿日直手当として扱われます。一般的には、同種の勤務に就く人の1日あたりの平均賃金の3分の1以上が目安とされ、宿直は週1回程度が限度の参考とされています。実際の運用は勤務先の規定によります。

呼び出しが多く眠れない場合、労働時間になりますか?

夜間に十分な睡眠がとれず、業務が常態化している場合は、宿日直として扱われず労働時間と評価される可能性があります。呼び出しの回数や対応内容の記録が判断の材料になります。

当直回数を減らす相談はできますか?

勤務体制や診療科の状況によって調整の余地は異なりますが、希望を伝えること自体は可能です。回数の上限や当直明けの勤務の調整など、具体的な案を添えて相談する方法が現実的です。

オンコールの待機時間には手当が出ますか?

待機の形態と、実際の拘束の程度によって扱いが変わります。自宅待機か施設内待機か、呼び出しの頻度、対応までの制約などを踏まえて、勤務条件として確認しておくことが勧められます。

宿日直の許可は誰が確認するのですか?

断続的な宿日直として扱うには、労働基準監督署の許可が必要とされています。勤務先が許可を受けているか、許可の内容と実際の勤務が一致しているかを確認する方法があります。判断に迷う場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家に相談できます。

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