千葉県の国家戦略特区にて、カウントダウン状態に入っているといえるのが成田市の医学部新設です。日本医師会やその他の団体が再三、反対意見を表明しているのですが、このまま進行しそうな雰囲気が感じられます。今年5月には日本医師会、日本医学会との連名で
「国民の求める医療を崩壊させる」
と反対の声明がされているにもかかわらず、水面下では着々と進行中なのです。
先日行われた会合では、成田市の小泉一成市長が出席。医学部新設に向けた進捗状況を説明しました。小泉市長は、11日に東京圏の区域会議の下に 設置されている成田市分科会を開いたことなどを報告しました。
同じ会見で、平将明内閣府副大臣(地方創生・国家戦略特区他担当)は、
「着実に進んでいるという認識だ」
と強調しました。
安倍政権が推進する地方創生の目玉として期待されているという側面もあります。
また、医学部を創る主体である国際医療福祉大学にとっては初の医学部を創るチャンスで、相当気合が入っているのは確かでしょう。
成田市の医学部新設問題は新たな局面に入ったといえるでしょう。今後の展開が気になるところに、東北福祉大学の医学部新設問題が降りそそぐ昨今です。Yes, or Noを言いたい気持ちは皆様あると思いますが、言えない環境があります。言いたいことが言えない程、水面下での鍔迫り合いが激しくなります。地域の諸先生方は複雑な感情だとお察しします。医師不足で医療崩壊は怖いものの、医師余りも怖いものです。誰よりも医師が欲しいのは地域住民の皆様でしょうが、このようなモラルを破る新設方法は果たして是か非か・・・
医師不足を持て余す地域住民のため息が聞こえるような気も致します。しかし、その優しさも痛みもよくわかります。新たな先生方との出会いの夢も。これまでの空回りする、国の医師増産政策がこのような環境を創りだしたのです。