クラウン開業モデルの終焉
クラウン開業先生を憶えていらっしゃいますでしょうか。2006-2007年くらいに2chの病院・医者板で大活躍されていたコテハンです。その名の通り、クラウン一台分のイニシャルコストで在宅支援診療所を開業していた先生です。当時のスレを読んで得た断片情報をつなぎ合わせると以下のようになります。お会いしたことがないので確かめようがなく、間違っていたら失礼!(ネタ元はこちら)
- 本業は精神科医
- 東京生まれ
- 南関東在住、東京近郊の田舎
- 実は鉄オタ
- 学生時代に交際中のイパーン人と卒後さっさと結婚した
- 2006年時点でハゲていた
- 時に検診、コンタクト、産業医と。ツブクリ所得と給与所得のハイブリッド
- 金融資産1億2,3千万(2006年)
のようです。何故か、急に消えていってしまったのですが、今回の改定を見て、クラウン開業先生は大丈夫だろうかと、今更ながら気になりました。精神科の往診医は少ないだろうから、生き残るかも知れません。アンチファンも多かったですが、あの独特の語り口のファンも多かった。逆境に負けず頑張って頂きたいです。
クラウン開業先生のようにコストを掛けずに開業し、施設往診をメインにやってきた先生にとって、今回の改定は収入が1/4になるドラスティックなルール変更です。幸いなことに、在宅診療所はイニシャルコストが安いのでこれまでの利益を確定してクリニックを潰して出直しが出来ます。
厳しいようですが、施設往診は今までが良すぎたんです。そもそも、介護付老人ホームなどに入居されている高齢者は実際のところ月に1回往診すれば十分な方がほとんどです。病院への通院は2カ月毎だったのに、入所した途端に一律で月2回定期往診対応とする施設&往診クリニックが多くありますが、よく考えられていますよね。公共事業で財政出動するのと同じで、本当に必要なの?と思える需要を公費で創り出していたのです。FRBの量的緩和縮小と同じことが、公的資金がジャブジャブ投入された日本の在宅医療市場で起こっただけです。今まで一人当たり5~6万に嵩上げされていた施設入所者のコストが、1.5万まで是正されたということです。