厚生労働省の『必要医師数実態調査』の求人数でいちばん多いのが循環器科となっています。
ただし、循環器科の花型と言える「心臓カテーテル」に限って言えば求人はそれほど多いわけではなく、心カテ専門医としてのみ転職したい先生には厳しい状況です。心カテを行う為には病院側に大規模な設備投資が求められるからです。新規に心カテ導入を図る病院が増えてはいるものの、ペイせず撤退する病院も出ているため全体としての医師の需要は足踏み状態です。一時期は各地の急性期病院で心カテ専門医の求人が多く見られましたが、高齢化の進行により最近では心カテを含めた総合的な循環器科医師が求められる傾向が出てきています。
非常勤市場においても同様の傾向で、「心カテのみ」のアルバイトは循環器科の医師から根強い人気があり、稀少です。心カテアルバイト求人で症例を積みたい医師が多い反面、求人数は少ないためです。心カテが好きな先生には、「外来は嫌い、カテだけやっていたい」という先生が少なくありません。常勤市場においても心カテだけやりたいといった医師も少なくないのですが、医療機関からすれば外来をせず病棟も診ない医師は要りません。先述のように心カテ市場は既に伸びきっており、バイト先が増える可能性は低いです。延吉正清先生のようなスーパースターならいざ知らず、「心カテが人並みに出来ます」程度では今後バイト先が無くなる恐れがあります。心カテだけではない総合的な循環器科医師が求められる傾向にあるため、心カテに特化し過ぎるのはリスクが大きいと言えます。