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日本で最も人口あたりの医師数が少ない埼玉県の救急医療は危機的状態!

FNNの番組で埼玉県の医師不足問題が取り上げられていました。そのサンプルはいみじくも本田宏氏の病院です。

【埼玉】人口比の医師数が少ない埼玉の救急医療が危機に瀕しています。
FNN 2013/5/10


 日本で最も人口あたりの医師数が少ない埼玉県の救急医療が、危機に瀕しています。そのキーワードは、急激な高齢化で、現場を取材しました。
 埼玉県の北側、人口66万人のエリアをカバーする埼玉県済生会栗橋病院がある。この日、胃から大量出血を起こして救急搬送された高齢者に、消化器内科のチームが、カテーテルという管を動脈に入れていく。熟練の医師にしかできない、高度な技術だという。
 出血している血管部分にカテーテルが入り、高齢の患者は一命を取り留めた。埼玉県済生会栗橋病院の外科・院長補佐の本田宏医師は「(救急医療で)今、受け入れ不能、つまり担当医がちゅうちょする一番の理由は、昔であれば助からないような疾患が、タイムリーに専門医に治療してもらうと、助かる可能性が出てきているからなんですね」と話した。肺の内部から、がんの組織を採取する気管支鏡検査。操作するのは、呼吸器内科の寺西香織医師だった。
 寺西香織医師は「おそらく、肺小細胞がんというものかなと思うんですけど、まずは組織を取って、何ものか調べてるって感じです」と話した。通常勤務のあと、午後5時から、寺西医師は救急センターの夜間当直に入る。
 病棟の看護スタッフとミーティングする寺西医師は、入院患者を診ながら、医師1人で救急患者に対応しなければならない。肺炎による呼吸困難で搬送されてきた80代男性について、寺西医師は、CT画像に気になる影を見つけた。
 寺西香織医師は「こっちにないこれ(影)が、胸水かなと」、「右側のお胸に、お水がたまっちゃってるんです。ちょっと、楽になるかもしれないので、今、お水抜きますね」、「大きく吸って、吐いて」と話した。寺西医師は、通常では存在しない大量の黄色い胸水を、80代の男性から抜き取った。今回の取材で明らかになった、栗橋病院に救急搬送された患者の年齢構成を見ると、60歳以上の割合が、5年間で実に4割も増加していた。この変化が、救急医療の現場に大きな負担を与えているという。
 本田 宏医師は「時間とマンパワーが必要なんですね、高齢者の方の治療には。高血圧を持っていたり、糖尿病を持っていたり。要は合併症をともなっていますので、同じ病名の手術をしても、高齢者の方の手術と若い人の手術は全く違います」と話した。
 救急科専門医であれば、救急患者全般に対応できるが、全国に3,382人しかいない。日本の人口あたりの救急科専門医の数は、アメリカの7分の1だという。
夜が明けてまもないころ、心肺停止状態で搬送されてきた80代の患者は、トイレで倒れているところを発見されたという。気道の確保を試みる寺西医師だが、患者が息を吹き返すことはなかった。命の終わりに向き合うことも、救急医療の現実である。
 寺西香織医師は「ハードですね。悲しい機会も多いです。特に呼吸器は、そういう患者さんが多いので、よくそういう場面にはあいます」と話した。
急激な高齢化が進む日本。
 国の在宅医療推進によって、終末期を自宅で迎える高齢者が増加し、救急搬送の急増につながったという指摘もある。
 この夜、5件の救急搬送に対応した寺西医師は、そのまま通常勤務に戻った。午後7時すぎ、胸の強い痛みで救急外来を訪れた60代男性を、当直明けだった寺西医師が診察していた。
 寺西香織医師は「ちょっと痛いって、すごく危ないことで。肺炎って、痛くないんですよ」、「(じゃあ、がん?)違うと思います。ちょっとあの、入院したら、看護師さんもついてくれるので、眠れなさそうだったら教えてください」と話した。
寺西医師が仕事を終えたのは、午後10時を回っていた。
 医師不足と高齢化によって深刻化する埼玉県の救急医療。それは、日本の未来への警告なのかもしれない。

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