更新日:2026年9月16日(最新の法令・運用に基づく)
✅ このページでわかること
- 公立病院の医師がバイト(副業)をするためのルール
- 地方公務員法第38条の「許可」が必要なケース
- マイナンバーや確定申告で「バレる」仕組み
- 人事に聞くべき質問と申請書の書き方
⚠️ 結論: 公務医師のバイトは「原則制限+許可(または届出)」。マイナンバーより怖いのは無許可状態での活動です。このページでは「隠す方法」ではなく、安全に許可を得る手順を解説します。
📌 このページの方針:
不正や「バレない方法」は扱いません。制度を正しく理解し、許可を得るための情報を提供します。個別案件は所属先の人事・規程、必要に応じて弁護士/税理士へご確認ください。
公立病院の医師が副業(バイト)をするには?地方公務員法第38条の許可基準
1. 地方公務員法38条で制限される「兼業」とは?
地方公務員(公立病院の常勤医師含む)は、任命権者の許可なく営利企業の役員等を兼ねたり、報酬を得る外部業務に従事することが原則禁止されています(地方公務員法第38条)。
医師の場合、以下のような活動が該当する可能性があります:
- 他院の当直・外来応援
- 健診・予防接種のスポット業務
- 産業医・学校医
- 講演・原稿執筆(謝金あり)
- 家族の医療機関の手伝い
👉 まずは所属病院の「服務規程」「兼業規程」で対象範囲を確認してください。
2. 「許可」と「届出」は別物(病院ごとに運用が違う)
同じ公立病院でも、運用はまちまちです。
- 許可制:事前申請 → 任命権者が可否判断
- 届出制:一定範囲の活動は報告で済むが、NGになることもある
👉 SNSやネットの情報だけで判断せず、必ず所属のルールを確認してください。
3. 許可判断の3つの軸(利益相反・職務支障・品位)
多くの自治体では以下の基準で判断されます。
- 利益相反:バイト先が自院の取引先・紹介元・補助金先でないか
- 職務への支障:疲労・翌勤務影響・オンコール対応に問題ないか
- 公務員としての適当性:肩書の悪用・広告利用・信用失墜にならないか
👉 これらを事前にメモしておくと、相談がスムーズです。
4. 医師が迷いやすいケース別整理表
| ケース | 主な論点 | 準備する情報 |
|---|---|---|
| 他院の当直・外来応援 | 報酬/頻度/疲労/勤務影響 | 月回数、時間帯、移動時間、翌日勤務 |
| 健診・予防接種スポット | 反復継続性/施設との関係 | 単発か定期か、契約主体、報酬 |
| 産業医・学校医 | 公益性/利害関係/時間 | 役割、頻度、報酬、自治体事業との関係 |
| 講演・原稿・監修 | 謝金/肩書利用/内容 | 主催者、テーマ、謝金、肩書表記 |
5. 相談前チェックリスト(7項目)
人事に相談する前に、以下の情報をメモしておきましょう。
- 兼業先(法人名・所在地)
- 業務内容(当直/外来/健診/産業医など)
- 期間(開始日・終了予定)
- 頻度・時間(月何回・何時~何時・移動時間)
- 報酬(日当/時給、概算額)
- 自院との利害関係(取引・紹介・補助金の有無)
- 肩書の扱い・広告関与の有無
6. 人事への質問例・メール例(そのまま使える)
口頭での質問例
- 「当院の兼業は許可制ですか、届出制ですか?」
- 「医師の外部勤務(当直・健診など)で、許可が必要な範囲を教えてください。」
- 「申請様式と提出先、許可期間(更新の要否)を教えてください。」
メール例(コピペ用)
件名:兼業(外部勤務)に関する制度確認のお願い
人事ご担当者様
お疲れ様です。○○科の○○です。
外部勤務(兼業)に関する当院の運用について、制度確認をお願いしたく連絡しました。
・兼業は「許可制」か「届出制」か
・対象となる業務範囲
・申請様式・提出経路
・許可期間と更新の要否
をご教示いただけますと幸いです。
具体的な案件の相談は、制度確認後に整理して行います。
よろしくお願いいたします。
7. 許可取得後の管理
- 許可書・申請書の控えを保存
- 頻度・場所・報酬など変更があれば事前相談
- 許可期間が区切られている場合は更新を忘れずに
- 税務(確定申告)は税理士に相談(人事は制度管轄)
8. 申請書(兼業許可申請書)の入手と記載項目
申請書の様式は、任命権者(自治体・病院)ごとに定められています。インターネット上の雛形ではなく、必ず所属先の様式を使用してください。
入手先の例:人事課・総務課の窓口、職員向けポータル。公立病院の場合は、病院の総務部門が窓口になることもあります。
一般的な記載項目(例)
- 兼業先の名称・所在地・代表者
- 業務の内容(当直/外来/健診/産業医など、具体的に)
- 従事する期間(開始日・終了予定日)
- 従事する日時・時間数(月あたりの回数、1回あたりの時間、移動時間)
- 報酬の有無・額
- 兼業先との関係(取引・紹介の有無など)
- 本務への影響と対応(当直・休日の調整など)
記載内容は、次章で扱う「判断の3つの軸(利益相反・職務支障・品位)」の観点で読まれることを意識してください。事実を具体的に書くのが基本です。空欄や「未定」が多いと、判断が保留されたり照会が入ったりすることがあります。
記入サンプル(書き方の型)
記入の考え方と例を示します。様式・記載項目は任命権者ごとに異なるため、あくまで書き方の型としてご参照ください。
| 項目 | 記入の考え方 | 記入例 |
|---|---|---|
| 業務の内容 | 職種名だけでなく、実際に行う業務を書く | 「一般内科の外来診療(1日あたり20名程度)。当直・病棟業務は含まない」 |
| 日時・時間数 | 月あたりの回数、1回の時間、移動時間まで書く | 「月2回、各日9:00〜17:00(休憩1時間)。往復の移動時間は各1時間」 |
| 期間 | 開始日と終了予定日を明記する | 「2026年10月1日〜2027年3月31日(更新の可能性あり)」 |
| 報酬 | 金額と支払方法を書く | 「日額○○円(源泉徴収あり)。翌月末日に指定口座へ振込」 |
| 兼業先との関係 | 取引・紹介・資本関係の有無を書く | 「本務先との取引関係・紹介関係はなし。資本関係もなし」 |
| 本務への影響と対応 | 勤務時間の調整方法を書く | 「非常勤は休日のみ。平日業務・当直に影響はない。本務の予定を優先する」 |
避けたい書き方
- 「医療業務全般」のような漠然とした記載 → 何をするのか判断できず、照会の原因になります。
- 「未定」「検討中」を多く残す → 判断が保留されます。決まっていない項目は、いつまでに確定するかを添えると進みやすくなります。
- 報酬欄の空欄 → 許可の判断に必要な情報です。無報酬であれば「報酬なし」と明記します。
記入後に確認しておくこと
- 記載した範囲(業務内容・頻度・報酬)のとおりに従事する。範囲を超える場合は事前に相談する。
- 頻度や報酬を変更するときは、変更の申請が必要になることがある。
- 申請書の控えと許可の記録を保存する。
9. 許可が下りにくいときの考え方と打ち手
許可は「出す・出さない」の二択ではなく、条件を調整して再申請できる余地があります。判断が分かれやすい論点と、打ち手の例を整理します。
| 論点 | 考えられる理由 | 打ち手の例 |
|---|---|---|
| 利益相反 | 兼業先が本務先の取引先・紹介元・競合にあたる | 兼業先を変更する/業務範囲を限定する |
| 職務への支障 | 当直・時間外・移動時間が本務に影響する | 頻度や時間帯を調整する/期間を区切る |
| 品位・信用 | 業務の内容が公務の信用を損なうおそれがある | 業務内容の説明資料を添える/教育・研究目的を明示する |
また、次のように「許可が不要な範囲」に収めることで解決できることがあります。
- 報酬を受け取らない学会発表・研修への参加
- 本務先の業務として行う当直・健診
- 公益性の高い活動(学校医・産業医など)※許可が必要な場合もあるため、必ず確認してください
許可が下りないまま業務を始めることは避けてください。判断に納得できない場合は、理由の説明を求めたうえで、条件を変えて再申請するのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q. 申請から許可までどのくらいかかりますか?
Q. 許可を得る前に業務を始めてしまいました。どうすれば?
Q. 地方公務員法38条で「バイトがバレる」原因で一番多いのは?
Q. 産業医・学校医は許可がおりやすい?
Q. 申請に必要な書類はどこで入手する?
Q. すでに無許可でバイトを始めてしまった場合、どうすればいい?
参考資料(一次情報)
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